大筋まとめ
zer0pts CTF 2021 は 成功と言ってよさそう。本番めちゃくちゃヤバいトラブルはなかったし、問題も安定してクオリティの高いものが提供できた。
諸情報
かつてない参加者数になったし、賞金もかつてない量になった。こんなに大規模なCTFの運営に携わることになるとは
Name | Value |
---|---|
開催期間 | 2021-03-06 09:00:00 +09:00 – 2021-03-07 21:00:00 +09:00 |
登録チーム数 | 1449 |
1点以上獲得したチーム数 | 951 |
Welcome / Survey 以外の問題も通したチーム数 | 259 |
正確な情報ではないけど、参加”者”数だと 3000〜4000 くらいだと思う
Top Teams
Name | Score |
---|---|
Super Guesser | 5211 |
K-Students | 5153 |
r00timentary | 5153 |
スコアサーバ
- InterKosenCTF2020でも使ったkosenctfxをまた採用した
- かなり安定して動作していて、CTF終了直後にアクセスが集中してレスポンスが悪くなったとき以外は不調は見られなかった
- このときはDB側が遅くなっていた
- 前回からいくつか改造した
- RankingでのFirst - Third Bloodの表示やDiplomaなど
- Rankingページの描画が重たくなってしまったのは反省点
- 全チームが何を解いたかを表示しているので描画がある程度遅くなるのは当然
- さらにFirst - Third Bloodを表示するために各問題に対する正答を提出時刻でソートしているのでまあ遅い
- これは途中でこの処理をWeb Workerに任せる用に変更したことで多少改善した
- 一部SQL文にtypoがあり、パスワードリセットが初期ではうまく動かなかった
- テストを書こう
- DO の MySQL、初期状態では ANSI_QUOTES が有効になっていて、gormが発行するSQLと噛み合わないことがあった
- フラグがcase insensitiveに受け入れられていた
- びっくりした。SQL側の設定だと思う。反省です
- フロントエンドは競技中に様々なマイナーバージョンアップが加わった
- 正直必要ないと思ったが、なにやら必要だと思った人もいて、めちゃくちゃ小刻みにデプロイ要求をされてすごく疲弊した
- CTFのスコアサーバがmobile friendlyである必要、あるのだろうか
- 当然対応していたほうが良いに違いはないが、本番の真っ最中にこれをやるのはかなりRiskyだと思うが……
インフラ
- 基本的にDigitalOceanが提供するサービスでインフラ管理を行っていた
- 3k CTF の prize として DigitalOcean の credit をもらっていたのでDOにしたが、そうでなければAWSなどを使っていたと思う。かゆいところに手が届かない
- スコアサーバ(API側)は最近登場したDigitalOcean App Platformというやつを利用した
- herokuやFargateのようなPaaSで、Docker Imageからシュッとアプリケーションが立ち上がって便利だった
- heroku触ったことないので嘘かも
- アプリケーションのログをエクスポートできないのはめちゃくちゃ不便だった
- あんまり関係ないけど、サーバのアクセスログものすごい勢いで流れていてコンピュータスゲーになった
- herokuやFargateのようなPaaSで、Docker Imageからシュッとアプリケーションが立ち上がって便利だった
- スコアサーバ(フロント側)はDigitalOcean Spacesを利用した
- 問題サーバは基本的に2GB Memory 2 shared vCPUs のインスタンスをカテゴリ毎に立てた
- 全体的にコストはかなり安く抑えられたと思う。全部合わせても$20から$30の間くらいではないだろうか
- やっぱりDBが結構高くつくが、システムの要なのでこのくらいの出費は全然OKと思うのが良さそう
- 結局CTF終了後1週間程度dropletsを立ち上げ続けていたので$50〜%60くらいになった
- 問題のデプロイや、IPのBanを自動化するCI/CDパイプラインを作成した
- GitLab CI便利
- Ansible 便利だけど遅いがち
- Ansible の信用できるDocker ImageというのがPublicにはないので、毎度 pip install ansible をするような構成にしてみたが、これかなり遅くて実行時間の何割かを持っていっているのでやめるべきだった
- push する度に何度もpublic keyを配布したりしていて、Ansibleの冪等性からはそれでもいいんだろうけどやっぱり遅いのでなにか実行を制御するしくみは欲しいと思った
- 様々な理由でCI/CD パイプラインの実行時間を雑に消費した結果、開催当日の朝4時とかになってGitLabで使えるFreeの実行時間がなくなってしまい焦った
- specific runnerを急いでデプロイした。簡単にできてすごい
- インフラは結局ほとんど一人で面倒を見ているが、実際は良くないんだろうなと思う
- 私が寝ているときに問題が発生するとか、いくらでもあり得る
- Prometheus などを使った監視システムも作っていたが、採用やめた
- あんまりちゃんとテストできていなかったので余計な不安を抱えたくない
- しかし監視は重要なのでいつまでも目をそむけてはいられない
- 問題のConnection Check / Solvability Checkも仕組みをつくったりはしたが、あまり出来がよくなかったので採用しなかった
- このあたり本当にLMTはすごいなと思う
提供した問題
Authorごとの問題の提供数は以下の通り。うーんptr-yudai CTF! 作問能力どないなっとるんや
Author | Count(*) |
---|---|
16 | ptr-yudai |
5 | theoldmoon0602 |
2 | st98 |
2 | mitsu |
2 | s1r1us |
2 | zer0pts |
1 | x0r19x91 |
1 | (=^·u·^=) |
- 提供した問題は全体的に評判が良くて何より
- No guess をちゃんと達成しているのもよかった
- 当初48時間CTFの予定だったが問題数に不安があって36時間になった。最終的な問題の解かれ具合をみても36時間が適切だったと思う
- そもそもCTFの48時間は長すぎるんだよな。しかしTimezone - Fairnessがほしければ48x 時間開催することになる
- 結局時間に関係なく私生活をなげうってずっと取り組み続けた人が強いんだからTimezone - Fairnessとか気にしなくていいと個人的には思っている
- 特にwebとrevの問題数に不安があった。webはまあいいとしてもrevの作問リソースがかなり厳しい
- rev の面白い問題をどうやったら作れるのか、2, 3年考えているけどrevの問題とかないがちなのでわからない
- 開催直前に問題が発覚して慌てて修正した問題や、今回は採用見送りになった問題がある
- 慌てて修正した問題も個人的には次回に回したかった。まともにチェックできていないということで出題するのは怖い。一つの壊れた問題でCTF全体が壊れるので
- CTF始まってから問題追加しようとする人がいたがやめて欲しい。Rejectするのも結構しんどい
- あとでも言及すると思うけど、これまではかなり少人数で運営していたからコンセンサスを取ろうとする必要もなく目指す方向が一致していたが、だんだん人数が増えて、あと使ってる言語も違ったりしてそういうところで同じ意識を持つのが難しくなっている
- そもそもCTFの48時間は長すぎるんだよな。しかしTimezone - Fairnessがほしければ48x 時間開催することになる
- 全体的な難易度は去年より上がったという声が多かった
- そんなに変えたつもりはないので勝手に評価基準がズレたっぽい。成長しているということだろうか
- 難しい問題を提供したいんじゃなくて面白い問題を提供したい、と個人的には思っている。難易度偏重にならないように気をつけたい
- 事前に予想していたのとは全然違う解かれ具合になったりした
- GuestFS:AFR はwarmupタグがついているにも関わらず15solves
- その他にも事前に想定していた難易度とはSolve数が逆転している問題がいくつかあった
- 結局、難易度の推定は難しいということ
- 質問をもらっても、基本的には"try harder", "no hint" と返すことになっていた
- CTFは競技なので良いと思う。ただ、上手い質問の仕方というのはあったりするので、JOIやなんかのように事前に決められた答えが帰ってくる仕組みを作るのが良いんだろうな。そこまでするかどうかというのは置いておいて
- いくつかunintended solutionはあったが、許容範囲だと思う
- PDF Generatorは基本的に全部unintended solutionで解かれていたのであとからNot PDF Generatorを提供した
- 個人的にはこれも必要なかったと思っているが、あまり強く口を出せる領域でもない
- PDF Generatorは基本的に全部unintended solutionで解かれていたのであとからNot PDF Generatorを提供した
- いくつかの問題ではアクセスが結構集中して、サーバが重たくなったりする時間があった
その他
- Discordでnew challengeのアナウンスとsolve のアナウンスを入れていたが
@everyone
みたいなチーム名で登録して人々に迷惑をかける人がいた- これができるようにしていたのはまあこちらが悪い
- 正直そんなことをする人がいるとは思ってなかったのでびっくりした。なんの利があったんだろう
- それに乗っかる人もいた
- 自分の提供した問題で、提供した配布ファイルが古いもので解けないと言われて焦って配布ファイルを更新したが、更新した配布ファイルも古いままだったりした
- 焦っていた……
- prize、急に増えてびっくりした。ありがたい
- このあとprizeを配る作業がまだある。終わりまでしっかりやりたい
個人的なことの振り返り
- 楽しかった。CTF運営は最高の娯楽。やめられねぇぜ
- 準備中 / 終わったあと / writeup と survey を読んでいるときがそれぞれめちゃくちゃ楽しい
- 運営中は常に不安と戦いながら監視をしている
- 自分の立ち位置は、「作問者」「インフラ担当」「当日運営」だったと思う。いわゆる"admin"(ここではrng_58さんのような立ち位置を意味している)だったかはわからない
- 英語できないのでアナウンス業をptr-yudaiとかst98さんに丸投げしていたのは申し訳ないなと思っている
- 結局 Crypto しか提供できておらず、偏っていて良くないなと思っている
- Cryptoにしても、もう一段階難しい問題が作れるようになりたい
- input 増やしていかなければ
- Web / Rev あたりの簡単だがちょっと頭を使うみたいな問題を作れるようになって、 Web 屋 Rev 屋に本質問題に注力してもらいたいな
- Cryptoにしても、もう一段階難しい問題が作れるようになりたい
- 当日は早起き & 夜ふかしでめちゃくちゃ疲れた
- CTF運営は精神力も使うし体力も使う
- 運営中ptr-yudaiと通話をつないで喋っていたのは良かった
- 楽しかったし情報の伝達が早いし意思決定もはやくなる